私の実家にはポコにゃんという狸のような猫がいました。 もらってきた時はそれはそれはかわいくて、そのまま喰ってやろうかと想ったほど。
得意技は『お手』 好物は『納豆』→顔周りがすごいことになるので数回で封印・・・しばらくは『納豆くれ~』と鳴いてました。 子供が寄ってきても逃げませんが、うちの兄の足音がすると絶対顔を出しません。 兄『そうとう嫌われとる・・・』 理由は兄がポコちゃんにプロレス技をかけるからです・・・これは立派な虐待ですよ・・・ 一回思いっきり引っかかれてました。いい気味だ。
そんなポコちゃんも15歳・・・
15年間いろんな事を聞いて、そして、見てきた事と思います。 バーちゃんのこと・・・父ちゃんのこと・・・母ちゃんのこと・・・兄のこと・・・私のこと・・・旦那のこと
そして、息子のことも・・・ 産後間もない頃、母が少々神経質になって 『猫の毛は赤ちゃんに悪い』 と一切、ポコを居間に入れず追い出していました。 私も『そういえば育児書に書いてあったかも』 などと思い、近づいてくると『向こうにいってなさい!』怒っていました。
そんなある日・・・息子がぐぜって中々寝てくれないことがあり、ホトホト疲れ果てていた時、 居間のガラス戸をポコが爪でギーギー引っかいています・・・ 内心うるさいな!と想いながらも戸を開けるとビックリするほど大きな声で
『ニャーン』
と、ひと鳴き。 部屋に入るでもなくそのまま立ち去っていきました。しかし、息子はポコの声に驚き泣き止んでいます もちろん偶然かもしれませんが 『やい!新参者!うるさくて眠れやしない!!』 と文句を言いに来たのか、はたまた、 チョッピりイライラしていた私を怒りに来たのか・・・
なんだか不思議なタイミングで面白いことをしてくれる猫でした。
最近ではこの猫、神なのか?と思うほど悟りを開き、神々しく玄関先に座っておられましたが・・・ ・・・年には勝てません・・・ 先日大きく深呼吸をしたかと思うと・・・そのまま息を引き取りました・・・
箱に入っているポコをなでながら泣いている私に息子が
『寝てるとよ!起こしたらかわいそうタイ』
そうだな・・・一生懸命生きたポコちゃんに未練や涙は失礼だ!!
感謝の言葉でおくりたい・・・ 涙を拭いてもう一度ポコちゃんの顔をみると、すごく幸せそうな顔に見えたのが不思議・・・
やっぱり最後までポコニにゃんらしいな・・・
ありがとう。またね・・・
 |